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第一三共がM&A失策!2800億円の損失

第一三共がM&A失策!2800億円の損失 Ref:第一三共とは - 会社概要

第一三共、なぜ大型海外M&Aで巨額損失の誤算?遠因の社内対立に拍車の懸念も

第一三共、M&Aで2800億円の巨額損失!インドの後発医薬品メーカー、ランバクシー・ラボラトリーズの買収で失敗

 ここ数年の国内企業による海外M&A案件として最悪の事例といわれるのが、国内製薬3位の第一三共によるインドの後発医薬品メーカー、ランバクシー・ラボラトリーズの買収だ。

 4月、第一三共は、ついにランバクシーの全株売却を発表。具体的には、第一三共はインド第2位の後発医薬品会社、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズにランバクシーの全株を譲渡し、代わりにサン・ファーマの株式9%を受け取る。年内に株式の交換を終える予定だ。

 第一三共によるとランバクシーの買収額が4900億円(08年当時の為替レート)だったのに対し、取得するサン・ファーマ株9%の価値は2100億円。第一三共は単純計算で2800億円を失うことになる。

 第一三共は後発薬事業を大幅に縮小する。ランバクシーを通じて進める予定だった世界市場での後発薬事業の拡大戦略は挫折した。ちなみに第一三共のサン・ファーマへの出資比率は9%にとどまるため、第一三共の連結対象会社ではない。…

●相次ぐ米国への輸入禁止措置

 第一三共の海外M&Aは、なぜ失敗したのか。

 第一三共はランバクシーの買収で、いきなり地獄を見た。08年6月、ランバクシーの子会社化を発表し、同年8月からTOB(株式公開買い付け)を実施。ランバクシーの株式の63.4%を4900億円で取得した。

 ところが思わぬ事態が発生した。TOB期間中の08年9月に米国のFDAがランバクシーの前出の2工場で抗生物質の取り扱いや製造器具の洗浄状況、生産管理、品質管理などに関する記録の保存について問題が改善されていないとして、30種以上の医薬品の米国への輸入を禁止する措置を取った。
 
 売上高の3割を占める米国市場を一時的に失ったことで、ランバクシーの株価は08年12月末に買収価格から66%も大暴落した。この結果、第一三共に3595億円の評価損が発生し、09年3月期連結決算で巨額の特別損失を計上。2154億円の最終赤字に転落した。…

●買収価格に疑念も

 ランバクシーの6割の株式を買うのに5000億円近い巨額な資金を投下したことから、当時「高すぎる」との指摘も上がった。これに対し庄田氏は、「買収価格を判断するうえで、30年という時間軸を据えた。人口が増え、経済力が上がる新興国市場には躍進的な成長の可能性がある。(買収価格が)高いか安いかの判断は、第一三共とランバクシーが、今後何を生み出すかによって定まるのではないか。第一三共の株主の方にとっても、十分価値を生み出せる価格だと考えている」と反論。同時に買収に強い自信を示した。

 しかしその後、わずか半年で7割近い企業価値が消えてしまったが、当時から買収する際のデューディリジェンス(資産査定)が甘かったのではないかと指摘されていた。査定結果は契約内容に反映される。問題点が発見されれば買収価格は下がる。通常、企業買収においては、損失が生じた場合の補填が契約に盛り込まれることになるが、第一三共側は不測の事態に備えた条項を契約に盛り込まなかったといわれている。

 また、今回ランバクシー株の譲渡先であるサン・ファーマも、実は3月に西部グジャラート州の工場がFDAから禁輸措置を受けており、品質管理の問題を抱えている。ディリップ・サングビ社長は「(ランバクシーを吸収合併して誕生する)新会社では法令順守を徹底する」としているが、早くもランバクシーの二の舞いになることを懸念する声も上がっている。

出典:Business Journal

2005年に三共と第一製薬が合併して誕生した第一三共
アステラス傘下だったゼファーマの買収とか
グラクソ・スミスクラインと共同出資でワクチン会社を設立したり
外交が上手いイメージがあったけどランバクシーに関しては
インパール作戦なみのビッグミステイクですね


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