ドラッグストア・ウォーズ【1】サンドラッグvsマツモトキヨシ「川崎の戦い」
ドラッグストアは、この10年で約2倍、6兆円に拡大した巨大市場だ。数少ない成長分野「健康市場」をめぐる戦いの実相に迫る。
首都圏の表玄関の一つ、川崎駅。人口約145万人の大都市で、東京に通勤・通学する“川崎都民”も多い。この駅前商店街に2店舗を構えるのが業界2位のサンドラッグ(サンドラ)だ。
「ウチの品揃えは、近くの銀柳街店(ぎんりゅうがいてん)と一緒に考えています。向こうは若い女性客が多いので化粧品が充実。こちらは高齢のお客様も多く、OTC(一般用医薬品)の対面販売も重視しています」
川崎駅前大通り店・店舗運営責任者の中村大輔さん(34歳)はこう話す…
すぐ隣に業界首位のマツモトキヨシ(マツキヨ)が店を構え、パチンコ店を隔てて同4位のツルハドラッグ(ツルハ)もある。5位のココカラファイングループのセガミや地元薬局も軒を連ねる…
少子高齢・人口減少の時代で小売り業界が縮小するなか、ドラッグストアは右肩上がりの成長市場だ。協会会員企業の年間売上高は5兆9408億円(2012年度。日本チェーンドラッグストア協会調べ)。21世紀の12年間で2.2倍に急拡大した。
ちなみに国内百貨店は約6兆1453億円(12年度。日本百貨店協会調べ)、スーパーマーケットは約12兆4631億円(同年度。日本スーパーマーケット協会調べ)だが、長期トレンドで数字は落ち込む。
ドラッグ市場の伸びにしたがい、大手各社も時にM&Aをしながら売り上げを拡大した。マツキヨを筆頭に、年間売上高3000億円超が7社を数える。それ以下でもカワチ薬品(同2317億円)などが下克上を狙う、戦国時代が続く。
戦国武将である各社の経営者も、もともと小豪族(小さな薬局店の主人)だった例が多い。本拠地は首都圏が多いが、愛知県のスギHD(スギ)、北海道のツルハHD、福岡県のコスモス薬品(コスモス)といった地方勢も虎視眈々と天下を狙う…
そもそも業界関係者以外には、ドラッグストアのビジネスモデルがわかりにくいかもしれない。基本は洗剤やトイレットペーパーなどの日用品・雑貨、そして食品を安く販売してお客を呼び込み、医薬品と化粧品の販売で利益幅を高めるのが一般的な手法だ。医薬品には、医療用医薬品と一般用医薬品(OTCとも呼ばれる大衆薬)がある。薬事法改正により新設された登録販売者は、大衆薬の第1類、2類、3類のうち、2類と3類を販売できる。
一方、医師の処方せんに基づいて医療用医薬品を調合するのは薬剤師で、薬剤師は1類も販売できる。
小売りの規制緩和が進み、さまざまな酒類も販売できるようになった。かつてはペットボトル飲料が目立った食品売り場も、品揃えが多様化。お客の来店頻度を上げるために、食品は魅力的な商材だ。
たとえばコスモスは食品の安売りと、「人口10万人商圏に10店」のドミナント戦略で九州を制圧。M&Aをせずに拡大してきた。食品比率が全売り上げの5割を超え、地域の食品スーパーの役割も担う。この手法を武器に本州進出を図る。南の雄・コスモスに対する北の雄がツルハだ。グループ店舗数1090店のうち北海道・東北に約680店を持つ。近年は食品の売り上げ拡大に力を注ぐ。
北海道一の歓楽街・札幌すすきの――。この近くに「ツルハドラッグ南8条店」がある。医薬品や日用品も充実するが、食品売り場も広く、特に冷凍食品が際立つ。「この店は時間帯で客層が分かれます。午前中は近隣に住む高齢者で、午後は主婦や学生、夕方以降は帰宅途中のサラリーマンやOL。深夜は飲食店関係者が多い。きめこまやかな対応を心がけています」…
すすきので、コンビニ以外に深夜営業をする小売店は少なく、駆け込み購入先として喜ばれる。水商売系の客には、ビールのケース買い、精力剤も売れるとか。
以下、Twitterでの反応
ドラッグストアは何であんなに物を安く提供できるんだろうか?薬の利益率が高いから、普通のは赤で売ってるとか疑ってしまう : ドラッグストア・ウォーズ【1】サンドラッグvsマツモトキヨシ「川崎の戦い」 http://t.co/WwxqA45ytI
— ワークスタイルニュース (@workstylenews) 2014, 1月 14
ドラッグストアの医薬品はスーパーより高い商品が多い事は知っておくべきだ。 http://t.co/sowJfF8wak
— 岩渕 由博 (@iwabuchi_sgate) 2014, 1月 15
ドラッグストア売上ランキング(2013年度上位7社)
1.マツモトキヨシホールディングス
売上高 4,563億円2.サンドラッグ
売上高 4,074億円3.スギホールディングス
売上高 売上高 3,436億円4.ツルハホールディングス
売上高 3,430億円5.ココカラファイン
売上高 3,358億円6.コスモス薬品
売上高 3,293億円7.ウエルシアホールディングス
売上高 2,933億円出典:業界動向サーチ
東京で暮らしているとマツキヨが圧倒的な印象なんだけど
数字を見るとサンドラッグがもの凄い勢いで追い上げている。
参考:数字で見るサンドラッグ