ファミマに立ちはだかる2強の壁
コンビニ業界は2014年現在3強状態となっている。POSシステム、ドミナント戦略を基軸とした大量出店と利益率の高いプライベートブランドの推進でわが世の春を謳歌しているのが業界売上第1位のセブンイレブン。日本が誇る名経営者、鈴木 敏文が率いるコンビニ業界の王者セブンイレブンを追いかけるのが業界2位のローソンと3位のファミリーマート。
ローソンは近年、健康をテーマに打ち出した戦略でナチュラルローソンの出店をしたり調剤薬局チェーン大手のクオール薬局と提携して薬局併設型の店舗を出店するなど量より質で勝負をかけている。2013年5月には「マチのほっとステーション」ならぬ「マチの健康ステーション」もオープンした。さらに2013年7月にはエーザイ子会社の農業会社であるエーザイ生科研を買収し、自社農場や契約農場の野菜の品質向上を図っている。タニタや大地の会など健康志向の企業との提携も盛んだ。
数のセブンイレブン、質のローソン
ファミマに勝ち目はあるのか?
これまでファミリーマートはセブンイレブンに負けじと大量出店を続けてきた。しかし、同じ戦略で勝負をしていたらスケールメリットのあるセブンイレブンが有利となる。しかも多店舗展開は一歩間違えると業績が急激に悪化する。スターバックスが過剰な店舗拡大で2008年に赤字転落したのは記憶に新しい。
そこでファミリーマートが打った次の一手が複合型店舗。サブウェイ、ツタヤなどの異業種と複合型店舗の出店を開始したのが2010年。調剤薬局チェーンとの提携もアクティブに進めており2013年10月1日にはファーマライズホールディングスと一緒に調剤薬局併設型コンビニエンスストアをオープンさせた。処方箋薬、OTCの他にも薬剤師(または登録販売者)による“薬相談コーナー”を設置してコンビニの利便性と薬局の専門性を見事に融合させた。
- ファミマと調剤薬局の蜜月
- 2013年04月08日 株式会社大賀薬局と包括提携を締結
- 2013年04月08日 株式会社コメヤ薬局と包括提携を締結
- 2013年04月08日 株式会社エフケイと包括提携を締結
- 2013年04月08日 株式会社宮本薬局と包括提携を締結
- 2013年05月01日 株式会社メディカルシステムネットワークと包括提携を締結
- 2013年05月01日 ファーマライズホールディングス株式会社と包括提携を締結
- 2013年06月01日 株式会社プチファーマシストと包括提携を締結
- 2014年01月01日 株式会社クスリのナカヤマと包括提携を締結
- 2014年01月01日 株式会社コクミンと包括提携を締結
コンビニ・調剤薬局の店舗数上位4社
コンビニ四天王 | 店舗数 |
---|---|
セブンイレブン | 16,375 |
ローソン | 11,130 |
ファミリーマート | 10,547 |
サークルKサンクス | 6,359 |
調剤薬局四天王 | 店舗数 |
---|---|
アインファーマシーズ | 631 |
総合メディカル | 505 |
日本調剤 | 498 |
クオール | 492 |
ファミマと個人経営の調剤薬局がコンビに
ファミマは調剤薬局併設型店舗のノウハウが蓄積された段階で、個人経営の薬局と提携を進めて行くことが予想される。全国5万店舗以上あると言われる調剤薬局の7割を占めるのが個人経営店。その個人経営薬局が足並み揃えてファミマと提携すれば、クオール(調剤薬局業界4位)×ローソン連合にも充分対抗出来る。王者セブンイレブンとアインファーマーシーズ(調剤薬局業界1位)も2009年に提携を結んでいるものの調剤薬局併設型店舗への活路は開けていない様子なので、ファミマは調剤薬局併設型コンビニという新たな市場で業界ナンバーワンを狙えるのではないだろうか。
参考:ファミリーマートNEWS RELEASE130408_03
参考:ファミリーマートNEWS RELEASE130501_01
参考:ファミリーマートNEWS RELEASE130501_02
参考:ファミリーマートNEWS RELEASE131220_01
参考:ファミリーマートNEWS RELEASE140106_02
参考:ファミリーマートNEWS RELEASE140327_01
商社との関係地も興味深い
三井物産…セブンイレブン、総合メディカル
三菱商事…ローソン、クオール
伊藤忠…ファーマライズ、ファミマ
丸紅…アインファーマシーズ